昨日本屋で偶然見つけた絵本に、もうかれこれ12時間以上、頭を乗っ取られています。
たぷ たぷ たぷ たぷ
たぷ たぷ たぷ
たぷ たぷ たぷ
頭の中、こんな感じです。 たぷ
こんなことになったのも、これのせいです。
(画像:https://www.takutaro.com/tapunosato/より)
藤岡拓太郎 作
たぷの里
絵本コーナーのほんわりした雰囲気のなかに、この本は平置きされていました。
やばい。目が合ってしまった。見てしまった。
謎の相撲取りと、少年のもの悲しい表情。
相撲取りのお肉が、少年の頭に乗っている。
まるで侵食されているのではというくらい、たっぷりと。
気が付くと、手に取ってページをめくっていました。
えっ?
この後も、たぷの里が たぷ たぷ たぷ と少年少女の頭にお腹の肉をのせていきます。
なぜこんなことを……
何をたくらんでいるの?
これどうなるの?
せなけいこさんの絵本を読んでいるときくらい不安になりました。
しかしその不安は解消されることのないまま、絵本は終わってしまいます。
そして頭のなかが、 たぷ でいっぱいになりました。
一読しただけで、たぷの里に脳内を侵略されてしまったのです。
遊んでいるところにたぷの里があらわれて、たぷっていく。
このパターンの繰り返しです。
パターンのある絵本は息子に受けがいいので、たぷの里も喜ぶのではないかと思いました。
絵がかわいいし、色もはっきりしていて見やすい。
では、なぜ買わなかったのか。
怖いと思ったからです。
一回立ち読みしただけで、大人の頭の中がたぷでいっぱいになっている。
中毒性がものすごく高いです。
先ほども言いましたが、せなけいこさんの絵本を読んだ時の気持ちと似ています。
せなけいこさんの絵本って途中まで普通にことが進んでいたのに、おばけにつれていかれたり、魚になってしまったり、急に怖いことが起こってそのまま終わってしまうことがあります。
救いがないのが怖くて、立ち読みするのに買わない、というか、買って繰り返し読む度胸がまだないんです。
たぷの里もその感覚に似ています。
たぷの里のことばかり考えて、ブログにこんなことを書いてしまうくらい、もう魅了されているのに、買う勇気がない。
買って繰り返し読んでしまったら、たぷの里が夢に出てくるのでは?
夢でたぷられたらどうしよう。
それは吉夢?いや悪夢だな……
万が一、息子が気に入って、「たぷして~!」と言ってきたら?
残念ながら私にも、夫にもたぷできるほどの包容力のあるお肉はないし、身近にもいない。
たぷってあげることができないのです。
ここまで書きましたが、私は決してたぷの里をディスっているわけではありません。
むしろ、ここまで中毒性が高くオリジナリティの塊である絵本を生み出した藤岡先生に敬意を表します。
だけど、これを買う勇気がないのです。
まだ私には早い。
たぷの里を受け入れる準備ができていない。
あの時買わなかったのに、こんなに買うことを考えているということは、私はたぷの里が本当はすごく欲しいのです。
そう、本当は買いたい。何度だってあの不安に包まれたい。
でもまだ今は勇気がないのです。
もう少し時間がたったら、たぷの里をうちに迎えたいと思います。
たぷ
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