お盆が明けて8月18日、川遊びに行ってきました。
そして川に流されました。
なめた格好で川遊びをした自分が悪いので、自業自得です。
これはその記録です。
徳島県 穴吹川に川遊びへ
前週から夫の母が川遊びをしたいと言っていましたが、まさか本当に行くとは思わず、何の準備もしていませんでした。当日の朝、本当に川遊びに行くことが決まり、慌てて準備をし、夫の両親・夫・私・息子(2歳)のメンバーで昼過ぎに出発しました。
初めて来たので、「えっ、こんな広い川で泳げるくらい綺麗な川存在する……?」と思いました。
河原も広く、テントを立てバーベキューをしているグループがたくさんいます。
いい匂い~!
実は川遊びには乗り気ではありませんでしたが、川を前にするとテンションが上がり、遊ぶ気満々になりました。
さっそく私たちもポップアップテントをたてて、川へ向かいます。
足を入れると冷たい! 冷蔵庫で冷やした麦茶くらい冷たいです。
しかも流れも早い。脛くらいの水位のところでも、気を付けていないと、足をすべらしそうになります。
こんなに流れが速いのは、先日の台風で水量が増加していることも関係しているのかもしれません。いつもは川底が見えるくらい水が澄んでいるようですが、その日は水中眼鏡でも何も見えないくらい水が濁っていました。
なめた装備
意気揚々と川へ入った私たちでしたが、今思うとその服装は本当に川遊びをなめていました。
Tシャツ短パンに、ビーチサンダルで、腕と脚は丸出し……そして息子用ではありますが幼児用の浮き輪。
ちゃんとした川遊びの経験がある人なら、私の格好をみて、
「えっ?それで川には入らないよね?今日はバーベキューにきたんだよね?」と思ったはずです。
川で遊んでいる人たちは右図のような格好の人たちばかりでした。
私は急遽川遊びすることになったので、海(瀬戸内の穏やかな海)で遊ぶ格好で来てしまいました。
ちなみに家族全員、これに準ずる格好です。
この格好で川遊びをしたため、死ぬ思いをする羽目になります。
そして流れる私たち愚か者
ケース1 先陣切った夫
川では浮き輪やライフジャケットを使って、川で流されて遊んでいる人が結構いました。
おもしろそうと思った私たちは、真似してみることにしました。
まず、夫が息子用の浮き輪を持って10mほど流れました。
帰ってきた夫は笑顔で「楽しかった!ぽっちもやりなよ!」と言いました。
この時、私は予想より水が冷たかったので、まだ膝下までしかつかっておらず、「無理無理無理」と言いましたが、「大丈夫大丈夫~!」と夫に推され、息子の浮き輪を受け取って流されることにしたのです。
ケース2 500m流された私
私も息子の浮き輪とともに、川に流され始めました。
思ったより流れが速い!ウォータースライダーみたい!と思い、最初は余裕で振り返って家族に手を振ったりしていました。
そして皆が川から上がっているポイントに近づき、岸へ近づこうとしますが、川の流れが速すぎて近づくことができません。
まだ余裕で足が川底に着くので、踏ん張って歩いて近づこうと試みますが、川底のゴロゴロした石でバランスが取りづらく、ビーチサンダルも底が折れ曲がったりでろくに立つことすらできません。
そのポイントで岸に上がることを諦め、もう少し流れが緩やかになったら歩いて岸まで行こうと考えました。
しかし、流れが緩やかになったと思ったら、急に深くなっていて足がつかないのです。身長164㎝あるのに!
しかも岸からどんどん離されて、木と岩のゾーンに近づいていきます。
やばい!と思った瞬間、流れがさらに速くなり、右ひざを大きな岩で強打。
そしてそのまま流されていきます。
この辺りで頭に 死 がよぎります。
いやいや、ここで死ぬわけにはいかない。
この浮き輪だけは絶対離してはいけない、離したら溺れ死んでしまう。浮き輪を握る手に力が入りました。
川底に足がつくようになったので、再び歩いて川を渡ろうとしますが、流れがめちゃくちゃ早くて、立つことができません。
そしてやはりサンダルが折れ曲がって石ですべります。
もうサンダルは履いているほうが危ないと判断し、脱ぎました。
が、脱いだら脱いだで素足では石が痛いし滑るしで踏ん張れず、結局流されてしまいます。
その時、岸で若い男性2名が遊んでいるのが見えたので、手に持っていたサンダルを振って「助けて―」と叫びましたが、聞こえていないようで振り向きませんでした。
そうしているうちにあと数十メートルで岸がなくなってしまうのが見えました。
このままでは川の両方が岩と木でできた大自然ゾーンに突入することになるのです。
そうなると、しばらく流れ続けなければなりません。
いやいやいや、本当に溺れてしまう!
岸がなくなる前に、絶対陸にあがってやる!
死ぬ気で決意した私は、バタ足で川に対して斜めに泳いで岸を目指しました。
この時実は、水位は太ももの真ん中くらいまでしかなかったのですが、流れが速くて、たつことができませんでした。
バタ足で泳いで、半分流れに乗りながら岸を目指すことで、方向をかえることができたのです。
そして、本当にあと数メートルで岸がなくなるというところで、なんとか岸にあがることができました。
その後は階段で川の上にある道をひたすら歩いて元の場所までもどりました。
あとで計ったら、10m程度川に流されるつもりが、私は500mも流されていました。
家族のいるテントにむかうと、みんなオニギリとポテトチップスを食べていました。
皆、私が危険な意味で流されているとは思わなかったそうです。
義母にいたっては「初めて来たところなのにあんなところまで行って元気だな~勇気あるな~」くらいに思っていたとか。
唯一夫だけが、「もしかして流されてあがれなかったのでは」とちょっと思っていたどうですが、彼もまたオニギリとポテチを食べていました。
だれも私が死ぬ思いをしながら流されていることに気付かなかったのです。
ケース3 義父、石の上を転がり流れる
死ぬ思いをした私はすっかり意気消沈して、テントに引きこもっていました。
義母と息子もテントで休憩していました。
すると、義母が「あらっ、おとうさん(義父)、溺れよんとちがう?」と川を指さしました。
そこには息子の浮き輪をもって、川を転がっていく義父の姿がありました。
幸いにも、しばらくすると義父はテントに戻ってきました。
義父「膝下くらいしか水がないのに、めちゃくちゃ流れが速いんや!浮き輪に乗らなきゃ溺れるとおもったけど、浮き輪が小さいからバランスが取れなくて転覆した。すごく浅いところで溺れながら流されるから、石の上を転がって体が痛かった~。なんとか岸にたどり着いて上がれたけど、岸に上がるのも、めちゃくちゃ難しいわ。」
流されてコントロールが効かなくなった経験がある私はぞっとしましたが、義母は大爆笑。
義母「なんでそんな浅いのに立てんのよ~、立ったらええやんか~」
義父「いや、速すぎて立てんのやって!」
義母「いやおかしいわ~」
というやりとりがなされていました。
川に入った者にしか、浅いのに立てないという感覚は分からないんだなと思いました。私も今回初めて知りました。
言葉足らずの夫が悪魔
実は1番に流れていった夫。大事なことを私たちに伝えていなかったのです。
川遊びを終えて、私に夫が言ったこと。
夫「初めに流されにいったとき、これはヤバいくらい速いなって思ったし、岸に上がるの難しかった。ここで上がらなきゃ、もう後がないって所もあったし。でも楽しかったから、やってみて欲しかったんや~」
えっ、でも、私には「楽しかった!」しか言ってないよね!?
まさか、
が、実は
だったなんて……
そういうことは先に言ってよ!情報共有大事!
川をなめていた自分が一番悪いんですけど、本当にこれは命に係わることです。
情報共有は大事です。
流されて学んだこと
- 川は瀬戸内の穏やかな海より危ない。それ相応の服装で行く。
- 自分にあった浮き輪やジャケットを使う。
- 川で流れて遊ぶときはどこでどうやって上がるか、チェックしておく。
それにしても、あんなに流れのはやい川を歩いて渡っていた人もいました。徳島県民の足腰はいったいどうなっているのでしょうか。すごい。