#わたしの推し米 ということで、お米についてお話します。
私は家が貧乏だったので、実家では田舎の米屋さんの所謂”訳アリ米”を食べていました。
銘柄不明。いつの米かも不明。
米唐番を入れる前から、米の中には初めから虫がいる。
お値段なんと!驚きの30Kg 3000円。爆安。
家の味以外は給食しか知らない子どもだったので、米の味がおいしいか否かなど気にしたこともありませんでした。
食べられればそれでオッケー!という、一番幸せなパターンです。
しかし、1つ下の弟が大学進学で東京に行き、ゴールデンウィークで帰省した時のことです。
弟は大学の寮に入っていました。
父が弟に「どうや、家の米と寮の米、どっちがうまいか。」ときいたとき、弟はためらうことなく「寮のご飯がおいしい」と言い放ちました。
耳を疑いました。
普段は寡黙で、親に非常に従順な弟が、迷うことなく、寮のご飯がおいしいと。
おいおい、弟よ。
たとえ寮のご飯の方がおいしいことが事実だとしても、そこは親に気を遣って「カーッ、オラんちの飯が一番うめぇぞ!」っていうところでは。
お茶碗のご飯、孫悟空用くらいうず高くてんこ盛りにしたのに、半分くらい残しちゃって。
お父さん、東京は米も水もまずいって思ってるんだから、黙っちゃってるじゃん。
どうしたんですか、ちょっと見ない間に、田舎ディスで都会ぶりっ子ですか。
髪も茶色になっているし、大学デビューってやつですか。
とむかつく田舎の姉の部分が出そうになるくらい衝撃のできごとでした。
しかし、およそ5年後、一人暮らしを始めた私は自分で米を選び、自分で炊くことで、弟の気持ちを知ることになります。
実家のご飯はおいしくなかった、と。
ひとり暮らしを始めて炊いたご飯が、実家と同じ方法でといで炊いたのに、めちゃくちゃ美味しい。
炊飯器の新旧がどうのこうの、とかも関係あるだろうけど、そもそもちゃんと米の味がする。ぬかっぽい匂いでない。甘い。ご飯だけでどんどん食べられる。
お米っておいしいんだ、とその時初めて実感しました。
1合炊いたご飯は夕・朝兼用だったはずなのに、一人でペロリと食べてしまいました。
それから米選びにはこだわるようになりました。
貧しい家でも食べ盛りの子ども3人にひもじい思いをさせないようたくさん買えるお米は卒業です。
今度は自分で稼いだお金で自分のためのお米を買うことができるのです。
スーパーで色んな米を買っては試しました。
パナソニック炊飯器「Wおどり炊き」さんのページから拝借した50銘柄チャートで言うと、これくらい試しました。(黄緑の〇をつけたものが、試したものです)
取り寄せなしで、四国の片田舎のスーパーを拠点としてこれだけ試したのは、我ながら貪欲であったと思います。
どのお米もめちゃくちゃ美味しいのですが、やはり地元の「おいでまい」が一番好きです。推し米です。
地元だからスーパーに一番よく置いていて買いやすいとか、地産地消したいとか、そういう思いを一旦置いても、おいでまいが推し米です。
おいでまいは、よく噛むと米の甘い味が広がるのですが、口に入れた時はそんなに米の強い風味がしません。
だから、何の料理にでもあいます。
煮魚よし、野菜炒めよし、みそ汁よし、カレーライスもシチューもよし。
もちろん塩むすびにしてもよし。
(ふと甘いお米が食べたいときは、冷たいおむすびにすると甘味が出てちょっと気分が違います。)
甘くて米の風味の強い銘柄も大好きですが、やはり日常生活で色んな料理と一緒に食べていくとなると、おいでまいくらいの甘さと風味がちょうどよく感じます。
新米の時期になると色んな銘柄が気になって、いろいろ試していますが、シーズンが終わるともっぱらおいでまいを買っています。
新米でなくても、おいしいんです。
おいでまいの安定感とマルチプレーヤーぶりにはかなりの信頼を置いています。
今日はコシヒカリ以外も試してみたいけど、何を買うか決まらなかったら、おいでまいを買っておけば間違いないです。
四国のお米というと、東北のお米に比べて響きがパッとしないかもしれませんが、ぜひ食べて欲しいです。
お米コーナーでこのかわいらしいお顔のお米をみつけたら、試しに買ってみてください。
一口食べたら、このマークとおんなじにっこり顔になるくらい、とてもおいしいですよ。