ぽっちログ

新人かあさんぽっち 2歳児を育てる記録

【見っけ】14年間スピッツを思い続けて頭が弾けた日

2019年10月8日。ちょっと信じられないくらい色んなことがあって、私とスピッツの歴史が走馬灯のように頭で上映された。

 

 

ツイッターではぽっちでなく、えみぽこりんなんです。

 

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命名 かまたま

 

私は16歳の時、図書館で借りたスーベニアに衝撃をうけ、スピッツにはまる。

(今考えると出たばかりのスーベニアを置いている図書館がすごすぎる)

当時は夢見る乙女なので、スピッツのちょっとアレな曲を聴いてこれでもかというくらい敏感に妄想しまくった。

スピッツのすごいところは、歌詞がメロディに乗ってスッと入ってくるのに、その意味が分かるようで分からないところだと思う。

でも、なんだこりゃ分かんね意味不明、で棄てるような曲ではない。

あと一つヒントがあれば解けそうなパズルや、むかし答えを知っていたなぞなぞのように、分かりそう・知っていたはずな気持ちになって心がこそばい。

つまり、すごく気になる。

多感な女子高生であった私は、草野マサムネによって紡がれた言葉たちをこねくりまわして、幾通りにも解釈する遊びに徹した。

そういう年ごろ故に、ちょっとスケベなセンサーが反応する曲なんかには特に真剣に取り組んだ。

最初こそ「空も飛べるはず」のスピッツにそんな曲があることが衝撃であったが、のちに草野さんの初期のインタビューで”詩を書く時は「死」と「セックス」をテーマにしている”と答えているのを知り、妙に納得した。

それを踏まえ、改めて歌詞をなぞると、たしかに「ちょっと危ない匂い」がしていた。

その匂いを知り、ムッツリ女子高生による歌詞解釈遊びは勢いを増した。

スパイダーを延々と聞いて「さらって逃げる」に悶々と惹かれ、

友達の家の庭でラズベリーとか海とピンクってエッチな曲なんだよってくすくす笑いあったりもした。

地面に木の棒で”ピンクのまんまる”を描いて、草野マサムネはやはり正真正銘の”男子”だと思ったりもした。

holidayでは確実にヤバいやつに好かれた感じがするけど、あんたも同じだよと自分の大事な部分を開いて鏡で見せられている気分になった。

スピッツは新曲をだすまでそれなりのスパンがあるが、それまでにリリースされていた曲がどれも名曲だったので新曲が出ないから飽きるということはなかった。

むしろ、1曲を聴きこんで歌詞をこねくるのに忙しく、時間がたりなかった。

じゅうぶんに遊んだと思う曲でも、時間がたつとまた違って聞こえてきたりして、終わりがない。

スピッツにはまってから、何度きいても新鮮な音楽があることを初めて知り、宝石を手に入れたようにスピッツは人生の特別な部分となった。

 

 

 

スピッツはライブもやばい。私にやばい以上の語彙がないのが悔やまれる。

一般世間にはスピッツがテレビに出ていないから、もう活動していないと勘違いしている方々がいらっしゃる。

失礼な。スピッツはメディア界のタガメか?というくらいめったにテレビには出ないが、画面の外でライブにいそしんでいる。

スピッツのライブに行ったら、その凄まじさの中毒になる。

のほほんとゆるやかなアコースティックライブを楽しもうと思って行ったら、度肝を抜かれることになる。部屋にコオロギがいた時の100倍心臓が跳ねあがると予言する。

私が初めてライブに行ったのは2007年のさざなみOTRリリースツアー。

私は大学1年生で、バイトでためたお金でチケットを手に入れ友達と行った。

席は1階席の1番後ろで少しがっかりしたけど、開演後そんなのは関係ないと悟る。

スピッツは3階席のはしっこまで沸騰させる。

ホールに詰め込まれた人を一人残らず飲み込んでかき混ぜる。

私は、スピッツが自分と同じ空間で演奏している姿に、「スピッツは実在した!本当にハニーハニーを歌っている!」とおかしな感動で頬が熱くなった。

体は操られているかのように勝手に揺れた。

こんなに楽しいことがあるなんて知らなかった。

全部がどうでもよくなるくらい楽しいことがこの世には存在するということを、スピッツのライブが教えてくれた。

開演前にmixiで知り合った「自称スピッツ通」の、チャイハネで服をそろえたような女性にスピッツのMCをテンポが悪すぎるとディスられた上、座席のことでマウントを取られたもやもやなど吹き飛んだ。

大学の課題がうまく行かないことや、毒親にしばられていると思っていること、自分の責任で彼氏と別れたけどずるずる続いていたこと。

そんなのは今夜気にする価値もないことだと、飛び跳ねる田村さんのベースが私の額をはじいたようだった。

噂には聞いていたが、田村さんが化け物だと知ったのも、ライブに行ってからだった。

顔ファンかよと誤解されそうだが、せっかく生でスピッツを見るからにはかっこいい正宗さんを目に焼き付ける!というのが目的だったのに、気が付くと獣のように飛び跳ねる田村さんばかり目で追っていた。

あの温厚そうな田村さんがケーブル抜けても走り回ってドラム・さきちゃんのシンバル叩きまわっとる、

あのほんわりした雰囲気の田村さんが悪魔のような顔をしてジャンプしとる、

あれベースの音しない、田村さん演奏しないでお客さんにベース触らせてるね??、

とスイッチが入った田村明浩のプレーはスピッツライブ初心者である私には雷に打たれたかのような衝撃であった。

さきちゃんも怖い。

あの「原材料:優しさ」と言わんばかりのいで立ちで、ドラムを叩きまくる。

正直、何がどうなってそんなリズムになっているのか分からないくらい叩きまくる。

さきちゃんはステージど真ん中後方でドラムセットに囲まれてあんまり姿が見えないし、MCでもごくまれにしか喋らない。

演奏していない時の存在感のなさは、「さきちゃん未だにサポートメンバー説」を裏付けてしまう。

しかし、その物静かさとテクニックのギャップが、さきちゃんの「ドラムの神様」としての神格をアップさせている。(と私は感じる)

神様はステージど真ん中後方で少し微笑んで、音の鳴る武器を携えている。ゾクゾクする。

 てっちゃんことギターの三輪さんはそのギタープレーはもちろん、コーラスが好きだ。

てっちゃんがマイクに向かっていたら耳に神経を集中させ、正宗さんの声と両方を楽しむ。

正宗さんの甘い声も好きだけど、そこにてっちゃんの声がまざると更に脳が痺れてしまう良い音になる。

コーラスは田村さんもさきちゃんもするし、クージーもする。

みんなの声ももちろん大好きだけど、てっちゃんの声が特に好み。

正宗さんの声との相性がすごく良い、と個人的には思っている。

(あと、ライブで皆の衣装を見る時、てっちゃんの服を一番楽しみにしている。おしゃれだから)

そして、ボーカル正宗さんについては、もう、語彙力がなさすぎて、歌うますぎマンという言葉しかでてこなかった。

今説明しようと思っても、適切な言葉がでてこなくて、自分のあほが露呈することしかかけない。

正宗さんのことを書こうとすると、著しく国語力が下がる。

その場で歌っているのに、CD以上に上手い。

ただただ、ぼーっとして聞いてしまう。

歌うますぎマンすぎて、逆にこのステージはごっそりと巨大なスクリーンに投影された映像なのでは?と疑うレベルである。

しかも正宗さんは「歌うのがうますぎマン」だけでなく、「歌作るのうますぎマン」である。

めちゃすごい人が、めちゃすごい歌を歌っているのである。

これは、実にすごいことである。

なのに、MCは大御所バンドなのに敬語で、お世辞にも上手いとは言えないところに初々しさがある。あれ、デビューして何年目でしたっけ、と思わせる。

演奏前の煽りもなれていないのに、「一緒にいこうぜー!」とたどたどしさフルスロットルの無茶をしたりする。

草野正宗はそういうギャップも愛したい。

愛すべき歌うますぎマン草野正宗は生涯において推す所存。

スピッツは正宗さんだけがすごいんじゃなくて、全員がやばい。

それを肌で感じた初ライブとなりました。

 

その後、ツアーがあるたび公演に足を運び、生きている喜びを実感していました。

スピッツのライブのために生きている期間もあったくらい、スピッツは生きがいとなった。

しかし、テアトロンで公演があった時はちょうど息子の予定日だったので、参加できず。

その後、タイミングが合わず、スピッツのライブには参加できず。

心が枯れそうになっていたところに、地元香川でのラジオ収録からの生遭遇。

突然のご褒美の嵐に私の頭と体はキャパオーバーし、午後からは頭痛で寝込んだ。

起きた時、あれは夢だったのではと思ったくらい、素敵なできごとでした。

アルバム「見っけ」ききこんで、今度こそツアーに乗り込む!絶対!

 

 

 

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