ぽっちログ

新人かあさんぽっち 2歳児を育てる記録

何のニオイでも大丈夫だと思っていたけれど(注:主にうんこの話)

看護師として病院で働いていると様々なニオイに遭遇する。

便や尿、吐物、血液のニオイ

電気メスで肉を焼きながら切るニオイ

床ずれから出る膿と浸出液のニオイ

ホルマリンやアルコールの薬剤のニオイ

お風呂に入ることが習慣になっていない人のニオイ

口から物を食べなくなった人の口腔ケアができていないニオイ

 

 

最初はどのニオイも知らんぷりをして逃げ出したくなっていた。

初めて下痢のオムツ交換をした時はそのニオイがいつまでも鼻にこびりついているようで、その日は食欲まで減退したことを覚えている。

ところが看護師経験を積むとだんだんそこら辺の一般的な感覚がおかしくなっていく。

どのニオイもクサイし、物によっては汚いという感覚は残っている。

しかし、今ではそのニオイが鼻腔をくすぐった時、「なんとかしなくては」という気持ちが沸き上がって止まらなくなる。

逃げたい・怯むなんてことは忘れ、ニオイのする方向に突き進んでいってしまうのだ。

大部屋の病室に入った時、便のニオイがしたら誰のオムツが汚れているのか突き止め、交換して綺麗にしたい。

お風呂に入っていないニオイのする寝たきりの人はストレッチャーに載せて、2~3人で体を洗いに行きたい。

床ずれから匂いがしていたら洗い流して処置して、部屋の空気を入れ替えたい。

どのニオイもクサイし汚いと思うけど、嗅いでしまった以上、もう知らんぷりすることはできない。

そのニオイがしている状態で放置するなんて、自分が許せない。

なんとかしないと気が済まないのである。

 

 

 

このように大体の悪臭に対してなんとかしなくてはと思う私でも、「誰かなんとかしてくれ」と他人にすがりたくなったニオイがある。

息子のうんちである。

普通のうんちでも、下痢うんちでもクサイとは思うけど、お茶の子さいさいでオムツ交換でき、吐きそうなんて思ったことはそれまで一度もなかった。

しかし、朝食でツナを食べ、保育園の昼食でもツナを食べた日、あいつは誕生した。

ツナうんちである。

ツナうんちは私が今まで嗅いできたうんちのニオイの中で一番凶悪なにおいを放ち、私の胃袋をひっくり返そうとゆさぶった。

洗ってない犬のニオイが凝縮されたかのような強烈さ。

うんちの中に洗ってない犬がいるのではないかと思うレベルであったが、そこには消化されていないツナが多々混じっているだけであった。

こんなヤバいニオイの奴があの信玄餅のようなプリプリのお尻の間から出てきたのか?

天使のような息子のおしりから?

信じられなかった私はつい夫を呼びつけ、息子の自尊心など配慮せず「このうんちはクサイ」とそれを指さした。

今更何をと言われそうなセリフであるが、魂の叫びである。

この臭さはひとりでは抱えきれない、息子の親として共有しておくべき臭さであると判断した。

夫はオムツを開く前に、「オエッ」と嗚咽した。ジョークのための演技ではない。

夫は言った。

「ほんまに吐くところだった」

普段うんちがついたオムツは丸めてそのまま捨てているが、その時ばかりはツナうんちをトイレで流し、オムツをビニール袋に入れてから処理した。

二度とかぎたくないニオイNo.1である。

あれからもう1年がたつが、ツナうんちが現れるのが怖くて家ではツナを食べさせていない。

 

 

 

 

「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」


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